やけど(熱傷)
やけど(熱傷)
やけど(熱傷)とは
やけどは、高温の物質と接触することで発生しますが、比較的低い温度でも長時間接触することで、低温やけどを引き起こす可能性があります。カイロやアンカ、湯たんぽなどを使用する際には低温やけどに注意する必要があります。
症状
やけどの重症度は、やけどの深さと範囲によって決まります。
やけどはその深さに応じて1~3度に分類されます。
1度熱傷は、皮膚の表層までのやけどです。やけどした部分は赤くなり痛みを感じますが、通常は数日から1週間以内に跡形もなく治癒します。
2度熱傷は1度熱傷よりも深く、皮膚の真皮層まで損傷を与えます。赤くなるだけでなく、水ぶくれができます。多くの場合、1度熱傷よりも痛みが強く、治癒するまで2~3週間またはそれ以上かかることがあります。やけどが深い場合には傷跡が残る場合があります。
2度の熱傷は時間の経過とともに3度の熱傷に移行する可能性があります。
3度熱傷は、皮下組織まで損傷する状態です。 3度熱傷では受傷時かえって痛みを感じにくく、治癒した後は傷跡が残ります。治癒までに相当の日数がかかります。
やけどは、範囲や年齢、部位などを総合的に加味し重症度を判断します。重度のやけどの場合は入院や手術が必要になる場合があります。
原因
やけどは最も一般的な家庭内事故の1つです。やけどのほぼ半数は10歳未満の子供に発生しており、さらにその半数以上は1歳未満の乳児です。
家庭内でのやけどの原因は、暖房器具や加湿器、炊飯器などの蒸気、鍋や釜などの調理器具、お湯やコーヒーなどさまざまです。
特にご高齢の方は、加齢とともに熱さや痛みを感じにくくなることから、カイロや湯たんぽによる低温やけどには注意が必要です。
治療法
ステロイド外用剤:やけどの炎症を抑えるために使用されます。受傷直後から炎症(赤み)が改善するまでの短期間、主に浅いやけどに使用されます。使用する必要がなくなってからも使用し続けると、傷の治りを悪くしたり、感染症を引き起こしたりする恐れがあります。
その他の塗り薬:やけどの状態や感染のリスクに応じて、さまざまな塗り薬を使い分けます。
貼付剤:創傷の湿潤環境を保つことにより、疼痛を緩和し、治癒を速める「Moist Wound Healing」という考えに基づいた治療方法です。
比較的浅く感染リスクが少ないやけどに適しています。