多汗症

多汗症とは

多汗症には全身に汗が増加する全身性多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。全身性多汗症には特に原因のない原発性と感染症、内分泌代謝異常や神経疾患に合併するものがあります。局所多汗症も原因のわからない原発性と外傷や腫瘍などの神経障害による局所性多汗症があります。原発性局所多汗症では手のひら、足裏やわきという限局した部位から両側に過剰な発汗を認める疾患です。

症状

掌蹠多汗症は、手のひら（掌）や足の裏（蹠）に過度に汗をかく症状のこと。手のひらだけで見られる場合は手掌多汗症、足の裏で見られる場合は足蹠多汗症と呼ばれることもあります。

掌蹠多汗症の症状は軽症から重症までさまざまで、軽症の場合は特定の状況、例えば物を握ったり緊張状態で手汗が出る程度ですが、重症化すると常に汗が滴り落ちて日常生活に支障が出ることがあります。

原因

続発性多汗症は更年期障害や甲状腺機能亢進症、糖尿病などの内臓疾患や、向精神薬、睡眠導入薬、ステロイドなどの薬が原因となることがあります。原発性多汗症の発症には発汗の中心的な役割をはたす交感神経が関係していると考えられていますが、まだはっきりとした原因は解明されていません。

治療法

原発性多汗症の場合、ボツリヌス注射、胸部副交感神経切除術、イオンフォトレーシスなどありますが、それぞれ適応部位や保険適否、侵襲性の度合いや効果持続期間などが異なります。原発性腋窩多汗症に対する国内初の抗コリン外用薬として、2020年にエクロックゲルⓇ、2022年にラピフォートワイプⓇ、原発性手掌多汗症治療剤に対してアポハイドローションⓇが2023年に発売されました。多汗症でお悩みの患者さんにとって大きな福音となればと思います。多汗症の原因を探りながら、日常生活に支障を出ないよう、お一人おひとりにあった治療方法を探していきましょう。